
不動産業で資金ショートが起きてしまう理由とは?
不動産業を営む事業者が所有するビルの管理費・家賃・テナント料などは、確実な回収が期待できる資産の一種です。
不動産業はいつの時代も必要とされており、一定の契約期間中は毎月売上が入ってくるので資金ショートになにりくい業界と認識されています。
しかし、そんな不動産業も資金ショートとは無縁ではありません。
不動産業で資金ショートしてしまうリスクは主に投資額や市場金利が原因です。
以下では、不動産業において資金ショートが起きてしまう理由を事業特性と合わせて詳しく説明した後で、ファクタリングを活用するメリットを分かりやすく解説していきます。
不動産業の事業特性
上記では、不動産業で資金ショートしてしまうリスクは主に投資額や市場金利の2つが原因であると記述致しましたが、事業特性とともにその理由を説明していきます。
まず、不動産業の特性として投資額の大きさがあります。
不動産業は管理費・家賃・テナント料を顧客から得ることをビジネスモデルとしているので、それらが得られそうな目ぼしい物件を押さえる必要があります。
また、ビル管理の人件費高騰や土地・建物などの老朽化による価値減損によって、資産の維持費用もかかります。
建築基準法の改正によってこれまでは必要なかった補修工事などが必要となったり、不動産価格が高騰する中で必要なコストは増大するばかりです。
さらに、不動産業を営む者が建物を建設して販売する場合、建築基準法や住宅の品質確保の促進等に関する法律、マンションであれば建物の区分所有等に関する法律による規制を受けることになります。
多額の投資は契約がとれれば実を結びますが、高額な資金が必要なので一度でも投資ミスをしてしまうと後に資金繰りに苦しむ原因となってしまいます。
次に、市場価値の変動幅が大きいという業界特性です。
不動産価値は景気によって大きく変動するので、不動産価格が突然暴落する可能性もありますし、将来どれくらいの収入が見込めるかを計算することは容易ではありません。
予想が外れてしまえばせっかく購入した不動産が価値がないものとなってしまい、収入を得られなくなってしまいます。
特に、不動産業における資金繰りは将来の景気回復とともに改善が見込まれているものの、景気後退局面にある昨今では悪化していると言えます。
消費者にとっては、不動産業は人生に一度の高い買い物であるため、早いスパンで買い換えるものではありません。
長期間に渡って消費者と交渉し、取引をおこなわなければならないので、税制や金利動向などによってビジネスの方向性が大きく変化してしまうのです。
以上のような2つの事業特性がある不動産業では、毎月売上が入ってきていれば業績を伸ばせるのですが、契約がとれなかったり入金が遅れたりするとたちまち資金繰りが悪化します。
不動産を販売や賃貸、テナント契約をする場合、用地を取得してから物件の開発・販売・引渡しが完了するまでに1~3年必要となります。
そのため、もし地価が上昇しているような局面であれば付加価値を価格に転嫁することで利益をあげやすい一方で、地価が下降しているような状況においては、高く仕入れた土地に建てた建物を相場が下がる中で販売しなければならず、割高感が出て売れ残っていまいます。
つまり、不動産の開発期間中は常に価格変動のリスクを背負わなければならないのです。
このように不動産業では入金までにかかる期間が長く、不安定な事業特性ですので資金ショートが起きてしまうのです。
では、不動産業で資金のショートを防ぎ、資金繰りを改善するためにはどうしたらよいのでしょうか?
答えはファクタリングです。
ファクタリング業者を上手に活用すれば、売掛金を譲渡するだけで多額キャッシュインフローを生み出すことができます。
以下では、不動産業において、ファクタリングを活用するメリットについて詳しく説明していきます。
不動産業がファクタリングを利用するメリット
不動産業がファクタリングを利用するメリットとしては市場価値が下がっている時だけ必要な分を現金化できるということです。
上記でも紹介したように、不動産業は多くの条件によって売上が左右されるので資金調達が必要ない時と必要な時の振れ幅が大きいです。
通常不動産業を営んでいる事業者が資金調達をしようとすると、不動産担保融資という手段を利用します。
不動産担保融資では、土地や建物といった不動産を担保にして銀行やその他の金融機関などから借入れを行うこといい、不動産の担保価値や借入れを行う会社の支払能力の審査に応じて融資額が決定されます。
不動産担保融資は、不動産が担保となっていることから一度に借りられる額が大きく、金利も低いので、長期にわたって返済することも可能という特徴があります。
しかし、不動産担保融資はあくまでも銀行からの借入れということを忘れてはいけません。
返済不能な状態に陥れば、担保となっている不動産を失うことになりますし、融資の条件によっては、他社に借り換えなどを行って中途で契約を行う場合には違約金がとられることもあるのです。
さらに、不動産担保融資は融資額の1〰3%程度の手数料が必要となり、抵当権の登記費用や不動産鑑定費用も支払います。
不動産の担保価値の審査には非常に時間がかかるため、変わりゆく経済状況に対応するための素早い資金調達には向いていません。
そこでファクタリングを活用すれば売掛債権を譲渡するだけで、資金調達ができます。
取引先に対する債権をファクタリング会社に譲渡することで、手数料が差し引かれ、契約からおよそ1週間程度で指定の口座に入金。
非常にスムーズな資金調達が可能です。
資金調達の金額も譲渡する売掛債権の額面に応じるので、一度決まったら変えられない銀行融資よりも優れた資金調達方法と言えます。
自社が保有している金銭債権の範囲内で現金化することになるため、後に返済を迫られる心配もありません。
このように不動産業でファクタリングを利用するメリットは大きく、上手く活用すれば資金繰りを解決することができます。
そこで次項では実際に不動産業を営み、ファクタリングで経営改善した事例を紹介します。
ファクタリング活用事例
不動産業においてもファクタリングをうまく活用することができれば会社の資金繰りを改善でき、資金繰りに余裕ができれば、会社の将来も安泰となり新たな事業展開も可能となります。
上では不動産業におけるファクタリングの活用方法、また、不動産業におけるファクタリングを活用するメリットなどについて詳しく紹介してきましたが、ここからは、不動産業に属する事業者が実際にファクタリングを活用した具体的な事例を紹介していきます。
ファクタリングを活用して資金繰りが改善
私の会社は、新開発が始める地域に新しくビルを建て、そこを貸しビルとしてテナント料を得る計画がありました。
ビルを建てる計画は順調に進んでおり、土地の購入交渉もスムーズに進んでいたことから、計画は順調に進んでいるものと思われていました。
土地もビルの購入契約も完了して支払いが始まるタイミングだったのですが、その地域で深刻な地震被害にあってしまいました。
土地の購入費用からビルの建築費用、修繕費などを含めるとかなりの原価となってしまい、大きな資金を失ったのです。
修繕費などの突発的に必要となった費用に加えて、定期的に土地やビルの購入費用のために金融機関から借入の返済もしなければなりません。
そのため、会社の資金繰りがかなり悪化してしまい、資金繰りが行き詰まってしまう事態に直面することになりました。
ビルが実際に賃貸に出されるとすぐにテナントが入ってくれたので、家賃収入とテナント料が収入として入ってくるようになり、会社の中に債権も増えてはいましたが、会社の中に現金がない状態であることには変わりはありません。
急遽現金が必要になったので、我が社が保有している金銭債権をファクタリング会社に譲渡することによって一時的に資金を得ることにしました。
不動産業の安定的な金銭債権である家賃収入があれば、その早期現金化を行ってくれるということで、資金繰りに苦しむ我が社にとっては渡りに船だったと思います。
ファクタリング会社としても、家賃収入のような信用度の高い金銭債権であれば喜んで買取りたいということで話し合いも順調に進み契約に至りました。
信用度が高い金銭債権であれば、手数料も少なくて済むので非常にお得で、金融機関や公的機関から融資をしてもらった場合に支払わなければならない金利手数料よりも安かったです。
その後会社の資金繰りは大きく改善され、手許に資金が増えたことによって経営状態も安定するようになりました。
一度ファクタリング会社とファクタリング契約を結んだ後は、定期的にファクタリング会社が取引先の信用情報についても調べて報告してくれるので、自社で取引先の信用調査をする必要がなくなったのもファクタリングを利用してよかったと思うことの一つです。
自社で債権管理業務や信用調査をする負担を軽減することができ、本業に会社の資源を割くことができています。
特に、金銭債権が多額にあるような会社は債権管理にかなりの費用と手間がかかっていると思いますが、ファクタリングを利用すれば債権管理業務を外部に委託することができるので、手数料との折り合いさえつけばファクタリングを活用しない手はないと思います。
ファクタリングは資金繰り改善のための手段であると考えられていますが、このような効果もあることも広まってほしいですね。
ファクタリングを活用して経営改善ができた!
我が社は大型のマンションを5棟、アパートを20棟所有している地域密着型の小さな不動産会社です。
最近では、昔からその地域に住んでいた地主の方が高齢化して管理しきれなくなった土地を買い取ってくれないかという相談が多く来るようになりました。
地域密着型の経営をモットーとしている我が社としては、できるだけ土地を購入しておくことが得策であると考えていました。
積極的に土地の買い取りを進めていきましたが、昨今の不況が相まってなかなか買い手が現れません。
そのため、土地の購入費用が嵩んでしまう一方で、収入は一定のままに留まっていたことから、資金繰りに苦しむようになってしまいました。
それに対応するために、我が社ではファクタリングを活用しました。
ファクタリング会社に相談したところ、家賃や管理費、物件使用料のような定期収入の金銭債権がかなりの額があることがわかり、それを買い取ってもらえることになりました。
家賃にかかる債権は手数料が安くて済んだのですが、債権の種類によっては高くなることもあるので、事前に確認したいポイントですね。
ファクタリング会社によって手数料は異なるので、事前に十分に相談してできるだけ手数料が安くて済むところでファクタリング契約を結ぶことが大切だと思います。
まとめ
不動産業においては、土地の購入や建物の購入などに多額に資金が必要となります。
また、突発的な事故や自然災害によって、突発的に多額の費用が必要となることも少なくありません。
定期的に支払わなければならない金利に加えて、突発的に必要となるコストが加われば、一時的に資金繰りが苦しくなってしまうということも少なくありません。
そんなときはファクタリングを活用すれば早期に経営状態を改善できます。