
巧妙な手口に騙されるな!ファクタリング詐欺の実例
ファクタリング業界には、いまだ詐欺を働く悪徳業者が存在しています。存在しているということは、騙されている人がいるということです。
しかし、実例を知っていれば、いざという時にも騙されずに済むでしょう。そこで今回はファクタリングを謳って詐欺を働くものの手口を、実例を参考にみていきましょう。
ファクタリング詐欺の実例「東洋商事の逮捕」
ファクタリングの詐欺の実例として、まず最初にあげられるのは「東洋商事」と「MINORI」の事件です。2017年1月、「東洋商事」と「MINORI」というファクタリングを謳った闇金業者が逮捕されました。
参考:産経WEST「債権買い取り高利貸し 大阪府警、東京の2業者8人を逮捕」
ファクタリングでは、貸付を行うことは貸金業法によって禁止されています。ファクタリングでできるのは、あくまで売掛債権の買取であり融資ではありません。
「東洋商事」と「MINORI」は、高金利で中小企業に貸付を行ったため逮捕されたのです。
通常のファクタリングであれば、売掛債権を売却してファクタリング会社から売却益を受け取ります。そして売掛先から売掛金が入金されたらファクタリング会社にそのまま送金するという流れです。
しかし、ファクタリングを装って貸付をする業者は、売掛金が入金されたあとの送金に金利をつけて分割払いにさせます。資金繰りに困ってファクタリングを選択した中小企業にとってこれほど魅力的な条件はないでしょう。
そのため騙されてしまいがちですが、分割支払を提案してくる時点でファクタリング会社ではなく闇金業者です。好条件なら闇金業者でも良いと思われるかもしれません。
しかし、「東洋商事」と「MINORI」のニュースに「3億円以上を貸し付け、1億円以上の利益を得ていた」とありますね。これを簡単に計算しても金利34%ほど。例えば、100万円の債権を66万円で売却するようなものです。
いかがでしょうか。普通のファクタリング会社であれば、そこまで高額の手数料を取られることはありません。このような詐欺業者に騙されないためには、ファクタリング手数料の相場を知っておくことが重要です。
また、「融資」「返済」「利子」などの言葉が出てきた瞬間に詐欺業者の可能性が高くなります。いくら急いでいても不安になったら、そのまま決めずに別のファクタリング会社に相談してみましょう。
急に会社に来る場合も?悪徳業者に気を付けろ
続いて紹介する実例は、詐欺業者が直接会社に来る場合。詐欺業者は、騙せる人が来るのを待っているだけではありません。直接会社に来る場合もあります。その手口は、売掛債権担保融資(ABL)を利用した会社の登記簿を取得し、会社を訪れて脅すもの。
「債権譲渡登記がされているから今すぐ外した方が良い。」、「その貸金業者はやめた方が良い。」、「ファクタリングは、債権の売却だから負債にならない。」
このようなことを言ってファクタリングに誘導し、法外な手数料を脅し取る業者もいます。悪質な業者は、取引のある銀行や貸金業者の名前を語ってアポを取ってきます。もし事務員越しにアポを取られたら気付きようがありませんね。
そもそも、優良なファクタリング会社は直接会社に営業に来ることはしません。もしあなたの会社にこのような業者が来ても対応をしない、あるいは言われたことを鵜呑みにするのではなく事実確認をしましょう。
後で詐欺だと申し出ても、言った言わないの話になり有耶無耶になってしまうためです。
闇金業者と契約を結んでしまった時の対処法
悪質な詐欺業者と契約を結んでしまった場合の対処法はシンプルです。
弁護士や司法書士に相談する!
これに尽きます。大きな法律事務所に行けば、闇金の案件を扱ったこともあるでしょう。詐欺業者も弁護士や司法書士が出てくると何もできません。困った場合はすぐに専門家に依頼しましょう。
しかし、そうなる前に詐欺業者に騙されないために、4つの特徴を抑えておきましょう。以下で解説していきます。
1. 契約書がない
契約書がないのは、証拠を残そうとしない詐欺業者の特徴です。契約時に注意を怠らないようにしましょう。
2. 手数料が高い
月の利率で30%を超えてくると闇金の可能性が高まります。通常のファクタリングでは、売掛先の信用など総合的に審査され、ファクタリング会社が負うリスクが高いとなった場合30%近くまで行くことはあるでしょう。
しかし、30%を超えるような手数料をつける契約の場合リスクが高すぎてファクタリング会社も買取を断ります。
3. 取り立てがすごい
イメージ通りかもしれませんが、取り立てがすごい業者は闇金です。普通のファクタリング会社であれば、電話や書面のみです。
4. 対応が悪い
ファクタリング会社全てが対応が良いわけではありません。しかし、闇金業者は対応が悪いことが比較的多いです。説明がずさんであったり、態度が悪いことが挙げられます。そのような場合も注意して臨みましょう。
以上がファクタリングを謳った闇金業者を見極める特徴です。1点でも当てはまる場合は注意しましょう。
まとめ
ファクタリング詐欺の実例と対処法を紹介してきました。ファクタリングは、一時的な資金繰りの悪化を改善することができる便利な資金調達方法です。
しかし、実例として挙げましたが、逮捕者が出ているのも事実。利用の際は、必ず事前調査を行いましょう。