
意外と甘くない?ファクタリングの審査に通らない理由
売掛債権を売却することで早期に資金化することができるファクタリング。即日の資金調達ができるため、至急で資金が必要になったときに使える非常に便利な方法です。
銀行融資などの借入と比較すると審査が甘いと言われていますが、中には通らないこともあります。では、ファクタリングの審査に通らないのは一体なぜなのでしょうか。
そこで、ここではファクタリングの審査に通らない理由と通過率の高い厳選の会社を3社紹介していきます。
ファクタリングの審査に通らないのは売掛先が原因?
ファクタリングの審査が甘いと言われている理由は、審査対象が売掛先だからです。赤字や債務超過、税金の未納があっても利用できるのは、そこが審査対象としてさほど重要ではないということです。
つまり売掛先に信用がないと審査に通らないということになります。しかし、どこに問題があると審査に通らないのか分かりませんよね。そこで、ここでは売掛先や売掛債権が原因で審査に通らない場合の理由を見ていきましょう。
ファクタリングの審査基準
まず、ファクタリングの審査基準についてです。そもそもファクタリングには、利用できる債権と利用できない債権があります。以下の図で簡単に見ていきましょう。
利用できる売掛債権に関しては、問題ないと思います。ここでは、利用できない債権について解説していきます。
譲渡禁止特約付債権とは、債権者と債務者の間で交わされる契約で、債権譲渡を禁止するためのものです。債権にこの特約が付いている場合、そもそも売却をすることができませんので審査には通らないでしょう。
下請け代金支払遅延防止法の規定に抵触するものも審査には通らない債権です。どのような債権かと言うと、支払サイトが60日以上のものです。また、法人ではなく個人に対する債権は確定していない場合が多くファクタリング会社も買取をしたがりません。
買掛金が売掛金より多いときも債権の売却ができないのは当たり前ですね。上記の債権は、審査の前にそもそもファクタリングを利用できないので確認してから申込みましょう。
続いて、売掛債権に問題がある場合の審査に通らない理由を見ていきましょう。
売掛債権が理由で通らない場合
ファクタリングでは、売掛債権が原因で審査に通らない場合が多々あります。それはどういうことなのか、以下で4つの理由をあげて解説していきます。
売掛債権が本当にあるのか疑わしい場合
ファクタリング会社は、売掛債権が本当にあるものなのかどうかをかなり気にしています。実在しない売掛債権をファクタリング会社に売却して資金を得ようとする者がいるためです。
ちなみに、実在しない債権を売却することは詐欺に当たる立派な犯罪なので絶対にしてはいけません。
そのためファクタリングの審査では、売掛債権があるということを証明する書類が必要になります。債権の存在を証明する書類を成因資料と言います。内容としては、契約書、発注書、受注書、請求書など。
成因資料が多ければ多いほどファクタリング会社も安心できるので審査に通る可能性が高くなります。成因資料が欠けてしまうと、審査に通らないということになりかねないので気を付けましょう。
また、請求書が発行済みの債権でないと売掛債権とみなされず、買取不可と判断されてしまいます。請求書が発行されている確定済みの債権をファクタリング会社に提示しましょう。
売掛先との取引が継続的か
売掛先との取引が継続的にあり、入金されている実績が証明できるとファクタリング会社からの評価はかなり高くなります。今までに売掛先との取引がない場合、必ず入金されるという保証がないため審査に通らない可能性が高くなってしまうでしょう。
しかし、継続取引がなくても審査に通る場合もあります。それは、売掛先が上場企業かあるいは非上場でも名の通った大手企業の場合と売掛先が官公庁の場合です。ファクタリング会社には、なるべく継続取引のある債権を持ち込みましょう。
売掛先が本当にあるのか疑わしい場合
こちらも審査の際の重要なチェック項目です。ファクタリング会社を欺く場合に使われるのがペーパーカンパニーや休眠会社への売掛債権です。ファクタリング会社が売掛先を確認できなかった場合は、審査に通らないでしょう。
不明確なサービスを提供している場合
売り掛けたものがコンサルティングや業務委託などの実体のないサービスだった場合、本当に提供したのか証明しなければならないことがあります。証明できなければ、審査落ちになってしまうでしょう。
以上4つが売掛債権が原因でファクタリング審査に通らない理由です。売掛債権や売掛先が存在することは、あくまで土俵に立った段階です。ここから売掛先の審査が始まります。
では、売掛先の審査ではどのようなことが見られているのでしょうか。以下で解説していきます。
売掛先の審査
ファクタリング審査の際、売掛先の信用力を審査します。債権を買い取ったあとに売掛先が倒産してしまった場合、ファクタリング会社が貸倒損失を被ることになるためです。
その場合、ファクタリングを利用して債券を売却した会社は、何も責任を負う必要がありません。これをノンリコースと言います。ファクタリングは、手形割引と比較されることが多いですがここが大きい違いです。
ファクタリング会社は、損失を被ることがないように売掛先の信用力を慎重に審査するのです。それでは、どのようなことが審査されているのでしょうか。3つの審査基準を解説していきます。
売掛先の業種
信用を調べる上で大切なのが、売掛先の業種です。売掛先が反社会勢力や性風俗業界であった場合、ほぼ100%ファクタリング利用は不可能です。また、個人や個人事業主に対する売掛金も受け付けてもらえません。
理由としては、取引が確定していないことが多く、入金される保証もないからです。
売掛先の経営状態
ファクタリング会社は、売掛先に対して融資審査のような内容の審査をしています。会社の収益性、安全性、返済能力を総合的に評価します。その上で買い取る売掛金が後で回収が可能なのか、を判断して買取可能額を修正するという審査です。
まとめると、貸倒するリスクを売掛先の財務状況から算出し、その可能性が高いと審査に通らないということです。また、審査に通ったとしても貸倒リスクが高いと判断された場合、売掛金買取時の手数料が高くなります。
売掛先の与信管理を普段からしていれば、どの会社への売掛金なら審査に通るか分かると思います。ファクタリング利用の際は、なるべく経営状態の良い売掛先の債権を持っていきましょう。
売掛先の負債状況
売掛先が抱えている負債の額も審査に関わってきます。抱えている負債に関しては、信用情報機関に問い合わせるだけですぐに分かります。売掛先が借入の返済に関して金融事故を起こしている場合は、審査に通らない可能性もあるでしょう。
参考:株式会社日本信用情報機構「信用情報機関について」
以上3つが売掛先に対する審査基準です。対象が売掛先の分、審査の対策をたてることができません。そのため、普段からの売掛先の与信管理が大切になります。ファクタリングで売掛債権を売却する際は、信用のできる売掛先の債権を提示しましょう。
また、ファクタリングの審査に通らない理由は売掛先だけではありません。ファクタリングを申し込んだ会社が原因で審査に通らないこともあります。それはどのような場合でしょうか。以下で見ていきましょう。
申込み会社に問題があってもNG?その仕組みとは
ファクタリングの審査では、基本的には売掛先がメインになります。しかし、2社間ファクタリングにおいては、ファクタリングを利用する会社も審査の対象になります。念のため2社間ファクタリングの流れについておさらいしておきましょう。
2社間ファクタリングの流れは以下の通りです。
売掛先 → B社
- A社が商品やサービスをB社に掛売りする。
- A社が債権をファクタリング会社に売却する。
- ファクタリング会社がA社に売掛金を支払う。
- B社がA社に買掛金を期日通りに支払う。
- A社がB社から支払われた売掛金をファクタリング会社に支払う。
ここで注目すべきは⑤です。
ファクタリングを利用したA社が売掛先のB社から一度売掛金を受け取り、そのままファクタリング会社に支払うという構図になります。つまりファクタリング会社は、A社がB社から受け取った売掛金を必ず支払うという確証を持てなければ売掛金の買取はしないということです。
それでは、その確証を持つためにファクタリング会社は、どのような審査基準で見ているのでしょうか。以下で解説していきます。
経営状態・年商
売掛先と同じくファクタリングを利用する会社も、経営状態が見られます。審査の際には、決算書の提出が必要になるでしょう。経営状態が悪いと他の支払に売掛金を充ててしまったり、ファクタリング会社が売掛金を回収する前に倒産する可能性があります。
ファクタリング会社は、その2点を恐れているということです。この審査において、年商も重要なポイントになっています。年商は、高ければ高いほど売掛債権を多く持っているということに他なりません。
ファクタリング会社側からすると、上顧客であり、さらに貸し倒れるリスクも低いため高評価になります。
負債状態
負債を大量に抱えている会社は、審査に通らない可能性があります。負債を抱えているということは、返済に追われているということ。売掛金をファクタリング会社に支払わずに返済に充ててしまう可能性があるためです。
また、負債が多く資金繰りが上手くいっていないと債務超過になり倒産する可能性があるということも理由の一つです。
税金・社会保険の滞納
税金や社会保険の滞納がある場合も審査に通らない可能性があります。滞納していても、税務署に連絡をして遅延する旨を伝えているのであれば、それほど問題にはなりません。しかし、無言で滞納しているとファクタリング会社も信用ができなくなってしまいます。
税金や社会保険料は、一括で支払うことができない場合には分納することができます。ファクタリングの審査に通らないという結果にならないためにも、滞納がある場合は分納計画を立てて税務署に連絡をしましょう。
経営者の人柄
ファクタリングがいまだに対面による審査が多い理由に経営者の人となりを見たいからという理由があります。反社会勢力ではないかという確認も兼ねています。モラルのない経営者に対しては審査は厳しくなるでしょう。
以上4つがファクタリングを利用する会社に対する審査基準です。ファクタリングは、審査が甘いと言われていますが一概には言えません。そんな中でも、審査に協力的な会社を以下で紹介していきます。
通過率90%超えの厳選3社を紹介!
ファクタリングの審査は、意外と多くのことが見られているということは分かったかと思います。しかし、中には銀行融資などの審査とは違い、買取に協力的なファクタリング会社もあります。それは、審査の際にどうしたら利用者の債権を買い取ることができるのか考えている会社です。
ここでは、審査通過率90%超えの協力的な会社を3社紹介していきます。
日本中小企業金融サポート機構
審査に協力的な会社と言えば、日本中小企業金融サポート機構です。日本中小企業金融サポート機構はファクタリング業界で唯一の非営利団体であり、真に中小企業のためになりたいという思いから設立された団体です。
非営利だからこそ、審査の際にどうすれば債権を買い取ることができるのか考えてくれます。もし他のファクタリング会社で審査に通らないなんてことがあれば、日本中小企業金融サポート機構をおすすめします。
ベストファクター
続いて紹介する審査通過率90%超えの会社はベストファクター。ベストファクターは、利用者からの評判が良くリピート率が非常に高いファクタリング会社です。なぜ審査通過率が高いのか直接聞いたところ、資金繰りのコンサルティングをしているからだそうです。
つまり、通常であれば審査に通らない会社もコンサルティングをすることで通過できる水準に持っていくということでしょう。資金繰りに困っているときには相談してみてはいかがでしょうか。
ビートレ―ディング
最後にビートレーディングです。ビートレーディングは、今まで15,000社を見てきた実績があるため、柔軟な対応ができることが強みです。本当に困ったときの最後の砦だと考えて間違いありません。
以上3社が審査通過率90%超えの優良ファクタリング会社です。審査が甘い会社には、上記3社で通らない場合は自社か売掛先どちらかに問題があります。
そして、気を付けなければならないのがファクタリングを装った違法の詐欺会社です。上記3社で落ちても利用できるファクタリング会社はないと言っても過言ではありません。甘い言葉に誘惑されて、悪徳業者に引っかからないように注意しましょう。
まとめ
資金調達方法にはかなり種類がありますが、いざという時にすぐに新調達ができる点で便利なファクタリング。会社を経営をしていれば急に現金が必要になることはよくありますが、まさにそんな時にぴったりの調達方法です。
そんな時に使うからこそ審査に通らないなんてことは絶対に避けたいですよね。ファクタリング審査に通らない理由は、ほとんどが売掛先でうが、自社の可能性もあります。不備がないかよく確認して審査に臨みましょう。