
ファクタリング会社の選び方は簡単?
銀行融資の枠を使わずに資金調達ができるファクタリング。便利な方法ですが、実際に利用するとき会社の選び方が分からないこともあると思います。ファクタリング会社の簡単な選び方として「相見積もり」というものがあります。
3社ほどに見積もりを依頼して条件の良いところで決める方法です。相見積もりは、簡単且つ好条件で利用できるのでおすすめですが、複数社に問い合わせていると時間と労力がかかります。
忙しい経営者にとって大切なのは時間。そこで、この記事では相見積もりをする必要がなくなるファクタリング会社の選び方を紹介していきます。
(※ここでは、買取型のファクタリング会社の選び方を解説していきます。)
まずは種類で絞り込む!ファクタリング会社の選び方
ファクタリング利用を検討している場合、まずは種類から絞り込みましょう。買取型のファクタリングで取扱件数が多いものは以下の3つ。それぞれ仕組みが違うので簡単に解説します。
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 診療報酬ファクタリング(介護・調剤を含む)
2社間ファクタリング
売掛先に債権譲渡を知らせずに、ファクタリング会社と取引するだけで完結するもの。売掛先に知られないところがメリットになりますが、その分ファクタリング会社のリスクが高くなるため手数料が高くなるデメリットがあります。
3社間ファクタリング
売掛先に債権譲渡について知らせてファクタリングを利用するもの。ファクタリング会社は、売掛先から直接売掛金を回収します。そのためファクタリング会社のリスクは低く、手数料が安いメリットがあります。
診療報酬ファクタリング
診療報酬債権(介護報酬・調剤報酬も含む)を売却するもの。基本的に社保や国保が絡むため3社間と同じ形態になります。ファクタリング会社のリスクはかなり低いため、通常のファクタリングよりも好条件で利用できます。
現在利用を検討しているファクタリングの種類は、2社間ファクタリング、3社間ファクタリング、診療報酬ファクタリングのうちのどちらでしょうか。それぞれ特化したファクタリング会社が存在するので、選び方の一つの基準になります。
続いて、上記3つのファクタリングの種類に共通した条件面での選び方を解説していきます。
8つの条件で絞り込もう!成功する資金調達のススメ
利用するファクタリングの種類が決まったら、次は条件面を比較して会社を選びましょう。ここでは、ファクタリング会社を比較していく条件8つを順に解説していきます。
(以下にファクタリング会社を条件別に比較した記事をまとめています。)
手数料
手数料は、ファクタリング会社の選び方で重要な指標になります。2社間、3社間、診療報酬のそれぞれ手数料の相場を見ていきましょう。
- 2社間ファクタリング 10~30%
- 3社間ファクタリング 1~5%
- 診療報酬ファクタリング 0.5~2%/月
ファクタリング会社が負うリスクによって大きく差が出ます。手数料で見ると3社間ファクタリングと診療報酬が安いです。しかし、利用のハードルが高いのも事実。2社間ファクタリングで手数料を安く抑えたい場合は、「相見積もり」をして一番安いところを利用するのが良いでしょう。
資金調達までの時間
ファクタリングは、緊急の支払いに対応するための利用が大半を占めます。つまり大事なのは資金調達までにかかる時間です。2社間ファクタリングは、ファクタリング会社とのやり取りだけで取引が完了するため、最短即日で資金調達ができます。
3社間ファクタリング、診療報酬ファクタリングの場合は、売掛先に承諾を取る必要がある分、資金調達までにかかる時間は遅くなります。至急の資金調達が必要な場合、ファクタリング会社の選び方の一つの指標になるでしょう。
売却希望額
ファクタリング会社は、それぞれ買取可能額を設定しています。特に、少額の債権は得られる利益が少なくファクタリング会社にあまりメリットがないので買取を拒否されることもあります。
問い合わせて拒否されるのは、時間の無駄ですよね。事前に買取可能額を調べて申込みましょう。
審査が直接か間接か
ファクタリング契約におけるコストを削減するために、間接的にやり取りをして審査を終わらせる方法があります。直接面談をするとファクタリング会社の人の出張費や、ファクタリング会社に行く交通費がかかります。
そのコストを削減するために、最近ではオンライン審査や郵送審査が利用できるようになりました。オンライン審査は、必要書類をアップロードするだけ、郵送審査はファクタリング会社に必要書類を送るだけで完了します。忙しい経営者には、最適な審査方法です。
評判を見る
ネットでなんでも評判を見られるようになった現在、ファクタリングに関しても会社の評判は見られます。ファクタリング会社の中には、貸金業法を破り逮捕されている業者もあります。詐欺会社を避けるためにも評判を見るのは重要です。
法人か個人事業主か
法人であればほとんど問題ないですが、個人事業主が利用できるファクタリング会社は限られています。法人に比べて個人だと信用が薄くなってしまうのが原因です。もしあなたが個人事業主でファクタリングの利用を検討しているのであれば、会社の選び方としてまず「個人事業主の利用可能」なところを探しましょう。
起業後何年経過しているか
基本的にファクタリングでは、融資などの借り入れとは違い、起業後の経過年数を問われることは少ないです。しかし、中には審査の厳しい会社もあり起業後1年以上が目安になっていることもあります。
起業後1年未満の場合は間違って審査の厳しい会社に申し込まないよう注意しましょう。
キャンペーンによる割引
これは手数料を抑える方法の一つでもありますが、「手数料割引キャンペーン」を実施している会社もあります。そのキャンペーンだけ受けて次に使う時に他の会社に乗り換えるという方法もあります。こちらもファクタリング会社の選び方の一つの指標になるでしょう。
以上8つがファクタリング会社を条件別で比較する選び方です。8つの項目全てで上位にいる会社はなかなかありません。自分なりの選び方の基準を絞って、その条件に合う会社に申し込みましょう。
また、ファクタリングを契約するときには3つ注意するポイントがあります。以下でその3つについて解説していきます。
契約時に注意するべき3つのチェックリスト
初めてファクタリングを利用する場合、契約時に注意するべき項目が3つあります。以下で順番に説明していきます。
売掛債権担保融資(ABL)ではないか
悪徳業者のやる手口ですが、「ファクタリングとうたっておきながら実は売掛債権担保融資だった。」ということがあります。ファクタリングの利用が初めてだと、気付かないまま契約をしてしまう人もいるので注視しておきましょう。
そもそもファクタリングは、貸金業法で融資をすることが規制されています。ファクタリング会社側から「融資」「返済」「利息」という言葉が出たら真っ先に疑ってください。
銀行系のファクタリング会社
銀行自体はファクタリングを提供はしていません。しかし、グループ会社の中にファクタリング会社を持っています。なぜ銀行系のファクタリング会社に注意が必要なのかというと、「ファクタリングを利用するほど資金繰りに困っている。」と思われてしまうためです。
融資やファクタリングの利用履歴は、グループ内で必ず共有されています。今後融資審査に通りづらくなってしまう可能性があるため、銀行系のファクタリング会社はなるべく避けましょう。
償還請求権の有無
償還請求権とは、債権の売却後に売掛先が倒産した場合に、ファクタリング会社が買い取った分の金額をファクタリングを利用した会社に請求する権利のことです。つまり、償還請求権の有るファクタリングは、手形割引と同じく貸倒損失はサービスを利用した会社が負担しなければなりません。
しかし、償還請求権が有るファクタリングの場合はその分ファクタリング会社のリスクが低くなるため手数料は安くなります。また、償還請求権の無いファクタリングをノンリコースと言います。
償還請求権がない場合は、売掛先が倒産するとファクタリング会社が全損失を被ることになるため、リスクが高くなる分手数料も高くなるのは必至。どちらのファクタリングを申し込むかは、あなた次第ですが申込み前に知識として知っておくと良いでしょう。
以上3つが契約時に注意するべきチェックリストです。知らずにいると余計な損をしてしまう可能性があります。詳しい仕組みを知ることで余計な損を避けましょう。
また、ファクタリングの業者を語った詐欺業者にも注意が必要です。以下で詐欺業者を見分ける方法を解説しています。参考にしてみてください。
まとめ
今回はファクタリング会社の選び方について解説してきました。資金繰りに困ったとき、ファクタリングは即日で資金の調達ができる便利な方法です。しかし、いざ利用しようとしてもファクタリング会社は数多くあるので選び方が分からないことはよくあること。
選び方が分からないときは、利用するファクタリングの種類、条件、注意点を基準に決めましょう。また、ファクタリングで即日の資金調達をする場合は、審査の対策を怠らないことが大切です。
ファクタリングの審査基準についてまとめている記事もあるので併せて参考にしてみてください。